MSC工法
従来工法との比較
悪臭防止技術
 悪臭と臭気
 底泥に含まれる悪臭物質
 悪臭防止技術
 浚渫工事における
  悪臭発生場所
 MSC工法による悪臭防止
 MSC添加量
施工例
MSCハイパーNEW!
カタログダウンロード
 底泥処理

悪臭防止技術

 MSC工法は、水辺の悪臭問題を解決することが可能です。

悪臭と臭気

 悪臭とは、人間に不快感を与える臭気をいい、一般に悪臭物質が発生の原因となります。悪臭防止法により、悪臭物質の種類ごとに大気中の悪臭濃度の許容限度を定められています。(表-1)
 臭気は、人間の嗅覚によって感じることのできる臭いで、室内空気、給水、下水などに関連して各種の臭気がありますが、計器により確実に直読できる測定技術は、確立されていません。
 臭気は、成分や濃度などの複合作用に基づくことが多く、悪臭物質の濃度を個々に分析しても、実態にそぐわない場合が多く、臭気強度は、専門の調香師による嗅覚試験を基礎とする6段階臭気強度表示表で表されています。(表-2)
 悪臭防止法では、大気中における悪臭限度を臭気強度の範囲2.5〜3.5に対する濃度としています。

●臭気の分類
1)芳香性臭気 2)植物性臭気 3)土臭・かび臭 4)魚介臭 5)薬品性臭気 6)金属製臭気 7)腐敗性臭気 8)不快臭

表−1
悪臭物質 においの感じ 許容限度(ppm)
下限 上限
アンモニア NH 刺激臭 1 5
メチルメルカプタン CHSH 腐った玉葱臭 0.002 0.01
硫化水素 腐卵臭 0.02 0.2
硫化メチル (CH)2S 腐ったキャベツ臭 0.01 0.2
二硫化メチル (CH)2S ニンニク様不快臭 0.009 0.1
トリメチルアミン (CH)3N 腐魚臭 0.005 0.07
アセトアルデヒド CHCHO 麦わら様刺激臭 0.05 0.5
スチレン CH ゴム様不快臭 0.4 2
臭気強度 2.5 3.5

表-2
臭気強度 臭気刺激
0 無臭
1 やっと関知できるにおい
2 何のにおいであるかわかるよわいにおい
3 楽に関知できるにおい
4 強いにおい
5 強烈なにおい

底泥に含まれる悪臭物質

 悪臭発生の原因となる底泥堆積は、直接的土砂の流入の他、有機物や栄養塩類を含む汚染水の流入に等により引き起こされます。有機物や栄養塩類は、流入後に移流、希釈・拡散を繰り返し、その一部は、沈殿して水底に堆積して底泥にとなります。また、底泥から溶出や巻き上げの作用を受けて汚濁物質の一部が水中に回帰し、水中の有機物は水底に生息する好気性細菌により分解を受け、栄養塩(無機態窒素・無機態リン)等に無機化され、さらに、無機化により生じた栄養塩や二酸化炭素は、植物プランクトンに摂取されアオコ等藍藻類を増殖させ水質汚濁の原因となります。植物プランクトンは、やがて死滅して沈殿し、水底に堆積すると底泥となってしまいます。
 大量の有機物流入や植物プランクトンの増加は、溶存酸素の低下を招き、特に酸素が循環されない水底部では、嫌気状態となり嫌気性細菌が増殖します。流入した有機物は,嫌気性細菌の働きにより悪臭物質である硫化水素(HS)やアンモニア(NH)に変成されます。
 硫化水素(HS)は、水底部が嫌気状態となると有機物から生成され、堆積する底泥中に含有されます。水に良く溶け、弱い酸性を持ち、腐った卵に似た特徴的な強い刺激臭の特定悪臭物質の一つです。底泥中の静置状態では内部に封じ込められ、大気中に拡散しにくいですが、外部からの衝撃を受けると一気に拡散されます。
 アンモニア(NH)は、有機物分解による他、未処理汚水が流入するとアンモニア態窒素(NHあるいはNH)として直接流入します。アンモニア態窒素は、水中に溶存酸素が存在すれば、好気性細菌の働きにより硝化され、亜硝酸(NO)から硝酸(NO)に変化しますが、溶存酸素が少ない水底部では、硝化されずにアンモニアのまま存在し続けます。
 悪臭物質である硫化水素(HS)やアンモニア(NH)も、水底の底泥中に存在している限りは、水封されているため大気中に拡散しませんが、浚渫工事により衝撃を受け、大気中へ取り出されると悪臭となります。

悪臭防止技術

 現在実施されている消臭処理技術として次のような方法があります。

1.液中悪臭物質の除去
 科学的処理 酸化処理 NaClO、H、ClO
金属塩処理 Zn塩、Fe塩
酸アルカリ処理 SO、NaOH
 物理的処理 吸着法
冷却法
希釈法
 生物的処理 酵素微生物処理
殺菌剤処理

2.気中悪臭物質の除去
 科学的処理 吸収法 酸アルカリ処理 SO、NaOH
酸化剤処理 NaClO、ClO、O
焼却法 直接消去、触媒燃焼
 物理的処理 吸着法 活性炭、ゼオライト
イオン交換 イオン交換樹脂
 官能的処理 マスキング法 香油等
臭気中和法 植物精油、緑茶抽出物等
 生物的処理 活性汚泥法
土壌脱臭法
微生物脱臭法

3.処理方法
・直接添加方式 発生物に直接消臭剤を添加し、水中で直接反応させる方法
・散布方式 散布器を使用して発生源に直接散布する方法
・噴霧方式 消臭剤を細かい霧状の微粒子として大気中に噴霧する方法

浚渫工事における悪臭発生場所

 底泥の浚渫+運搬方法は、ポンプ浚渫+排泥管圧送方式、バックホウ浚渫あるいはグラブ浚渫+バージ運搬方式あるいは空気圧送方式に代表されます。
 水面上での浚渫船作業において、ポンプ浚渫では水底のポンプから排泥管まで密閉されているので悪臭は発生しませんが、バックホウ浚渫やグラブ浚渫では,底泥が水中より大気中に出現した時点より悪臭が発生し、バージ船積込み時や運搬中においても臭気が発生します。
 バージ船や排泥管により排泥地まで搬送された底泥は、排泥地にて一定の含水率まで脱水・乾燥されます。しかし、底泥中の土粒子と水は共に負電荷であり離れづらく、自然乾燥に多くの時間を要するため,その間にも悪臭が発生し続けることになります。


MSC工法による悪臭防止

 底泥に含まれる硫化水素(HS)やアンモニア(NH)は、人間に不快感を与え、悪臭防止法に定められた代表的悪臭物質です。これら悪臭物質は、有機物が嫌気性細菌により変成されたもので、有機物の多い底泥ほど硫化水素やアンモニアが多く発生します。したがって、有機物量が多い水域ほど底泥堆積量が多く、悪臭の発生する確率も高くなります。水の有機物量は、化学的酸素要求量(COD)や生物化学的酸素要求量(BOD)により判定されることから、それらの指標を測定することにより、有機性底泥であることの確認ができます。
 MSCは,鉄塩[主に塩化鉄(III)(塩化第二鉄):FeCl] と金属塩(硫酸アルミニウム:Al(SO) を主成分とする強い酸性物質のため、含まれる成分が悪臭物質と反応して悪臭の発生を防止することができます。

1.方法
 底泥浚渫には、悪臭の発生場所が少ないポンプ浚渫が適しており、ポンプ浚渫船で吸引された底泥は水(浚渫区域水:海水、河川水等)により希釈され、排泥管を介して処分地へ運ばれます。MSCはこの排泥管の途中に組み込まれた攪拌装置によより直接底泥に添加混和されます。
 排泥管に、直接添加する管注工法のため、埋立地に処分される場合はもちろん、添加後バージ船運搬される場合でも、それぞれの工程で悪臭の発生を防止することができます。


2.原理
 MSCの成分は、鉄塩(主に塩化第二鉄:FeCl) と金属塩(硫酸アルミニウム:Al(SO) を主成分により構成されています。これらの成分が、悪臭物質と反応して、悪臭の発生を防止するメカニズムは次の通りです。

●硫化水素(HS)
 硫化水素は、金属イオンを含む水溶液と反応して、金属硫化物の沈殿を生じる性質があります。硫化水素は、水に溶けやすく、水溶液は弱い酸性を示し、硫化物の沈殿物生成は、pHおよび硫化物の溶解度積に依存します。これらの化学的性質により、硫化水素の除去には、酸化と金属塩処理が有効とされています。
 MSCは、酸性物質で金属イオンを持つことから、塩化鉄(III)の塩素イオン(Cl)の酸化作用により硫化水素は酸化分解され、鉄イオン(Fe)が硫化水素の硫黄イオン(S)と反応し、不溶性の硫化鉄(FeS)として沈殿物となります。これらの化学的反応により、底泥中の硫化水素は分解除去され、悪臭の発生を防ぐことができます。

●アンモニア(NH
 アンモニアは、よく水に溶け、水溶液はアルカリ性で存在する物質のpHによって濃度が変化します。pH7〜8の中性域では1〜2mg/Lのものが、pH10では20〜30mg/Lに上昇することが知られています。
 これはアンモニアは、水中で水と反応して[NH+HO→NH +OH ]の様に解離するためで、アルカリ性を酸性にて中和すればアンモニアの発生が抑制されます。
 MSCは、強い酸性を持つため、泥水中に添加することによって酸アルカリ反応にて中和され、アンモニア臭の発生を防ぐことができます。

●カビ臭
 水質悪化した水域おける悪臭物質に、アオコなど藍藻類によるカビ臭があります。カビ臭の主な原因物質はジオスミンや2MIB(メチルイソボルネオール)で、藍藻類や放線菌により生成されます。藻類は、水中の窒素やリンを栄養源として、太陽光による光合成により増殖するので、栄養塩類を除去して藻類の発生を防ぐことにより、悪臭発生を防止することができます。
 MSC工法による浚渫は、栄養塩を含む底泥を除去することにより、底泥よりの栄養塩類溶出を抑制します。浚渫は、底泥と共に濁水も吸引処理することから、水中の栄養塩類の除去もできます。また、原因物質である藍藻類や浮遊物質を直接吸引除去して、清澄水として還流させます。MSC工法により、悪臭原因物質が除去された水域は、透明度が高く,悪臭の無い水環境に再生されます。

MSC添加量

 MSC工法の最大の利点は、有機汚泥を含む底泥の土質改良と浚渫に伴う余水の清澄化にあるため、一般的なMSC添加量は、土量及び、有機物の含有量によって決定します。
 計画MSC添加量は、浚渫工事の場合、吸引された泥水中に含まれる泥分(含泥率、浮遊物質量SS)の容積(m3)に対してのMSC添加量(圈砲箸覆蠅泙后
 一般的浚渫工事の場合、MSC添加量は泥量に対してMSC原液[1.0〜3.0kg/m3]であり、含泥率10%の泥水の場合には[100〜300g/m3]の微量にて、土質改良、分離水の清澄化に効果があり、同時に脱臭防止効果も確認されています。

MSC工法
従来工法との比較
施工例
Copy Right (C) 2009 SO-EN Co.,Ltd.