アスベスト無害化処理とは
アスベスト含有の判定方法
無害化処理の状況
アスベスト廃棄物処理概要
無害化研究の状況
無害化処理方法
塩類を用いたアスベスト含有複合材の無害化処理
フロン分解物を用いたアスベストの分解処理
マイクロ波を用いたアスベストの溶融処理
レーザーを用いたアスベストの溶融処理
 アスベスト

フロン分解物を用いたアスベストの分解処理

 フロンは、ClとFを含む炭化水素化合物で、冷蔵庫やエアコンなどの冷媒として使用されていますが、オゾン層破壊物質であることが判明したことから使用禁止となり、回収されるようになりました。回収されたフロンは高温炉やプラズマ分解装置で分解され、フッ化水素および二酸化炭素を生成します。これらは消石灰と中和して、塩化カルシウム、フッ化カルシウムおよび炭酸カルシウムとなり無害化されます。このフロン分解物とアスベストを混合させて加熱すると、700℃でアスベストの結晶構造と繊維構造が崩壊します。クリソタイルの加熱脱水で生成したフォルステライトは、炭酸カルシウムの熱分解で生じた酸化カルシウムとフッ化カルシウムとの三成分間での反応によりカスピディンを生成します。一方、アスベスト中のマグネシウムは、分解し700℃以上の焼成物中に酸化マグネシウムとして存在が確認されています。これらのことからアスベストは熱分解でフォルステライトを生じますが、さらに酸化カルシウムとフッ化カルシウムと反応してMg-O-Si結合が切断され、酸化マグネシウムとカスピディンを生成します。これによりクリソタイルの結晶構造が崩壊しアスベストの非繊維化、非石綿化が達成されます。

分解前 分解後

フロン分解物での無害化処理の課題

 フロンは使用禁止となっている物質であり、その発生量もカーエアコンや廃家電からの回収を合わせても年間3千トンにもならず年間100万トン以上と言われるアスベスト廃棄物の処理には量的に適していません。
また、この手法ではセメントーアスベスト複合材に対しては被覆したセメントがクリソタイル表面を保護しているため、アスベストの分解にはいたりませんでした。


Copy Right (C) 2009 SO-EN Co.,Ltd.